蕾
受信メールの欄にある『ゆみこ』のメールを選択した。
『水曜日会えるのを楽しみにしてるね。』
『涼たんは、ゆみこの事好き?ゆみこは涼たんの事大好きだよ』
見たく無いのに、勝手に動いて行く指先。
水曜日……
接待って言っていた日だ。
私に嘘をついてまで会いたいの?
涼はどんなメールを返したんだろう。
でも、見る事は出来なかった。
これでラブラブな返事を返していたら、私は確実に立ち直る自信が無いよ。
その時
「梓さん……」
と、背後から冷たい声が聞こえた。
私が無表情で振り向くと、涼は慌てて私から携帯を取り上げた。