蕾
「中……見た?」
私は黙って頷いた。
完全に思考回路がショートしてる。
涼は、青ざめた様子で携帯を握りしめている。
色々聞きたい。
そして、全部否定して欲しいよ。
今は、怒りよりショックの方が強くて言葉が出ないんだ。
「…これは……」
涼が話し始めるのと同時に話し始める私。
「誰?」
意外と落ち着いた口調で、自分でもびっくりしたよ。
「いや、これは何にも無いんだ」
そんな事聞いて無いよ。
「誰?」
あくまでも、冷静さを装って聞いていた。
自分でも、良く分からない。
それを聞いて、どうなるかとか分からないよ。
でも、聞かずには居られなかった。