「ちょ…どこ行くのよ?!」


思いのほか力が強い涼。


私が連れて行かれた先は、屋上。


「ここなら、気兼ねなく話せるでしょ?」


まぁ、オフィスよりは人が来ないわね。



「で、何よ?」



顔を見ずに話す私。




「ゆみことは、ちゃんと話しをした」




涼、信頼って一度失うと回復させるのが大変なんだよ。


私は涼に背を向けたまま、涙をこらえていた。


震える背中にぴったりと寄り添ってくる
涼の心臓、ドキドキし過ぎだから。


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