「……涼を、信用出来る自信…無いよ」


「…分かってる」


あんな事もうしないって私に信用させてよ。



涼が好き。



なのに、猜疑心ばかりが募ってくる自分が嫌なんだよ。


私をしっかり捕まえていて。



「ゆっくりで良いから…信用してほしい。もう、絶対に梓さんを泣かせないから」



そう言うと、今までより強く私を抱きしめた。

涼のドキドキが移っちゃって、私もドキドキが止まらないよ。

耳元にかかる息に、なんだかさらにドキドキと速くなる心臓の音。




信用して……良いの?




多分、次に裏切られたら私はきっと立ち直れないよ?


本当に、裏切らないって誓える?



なんて、やっぱり治まらない猜疑心。


こんな私って嫌な奴かな?


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