diary〜ありがとうの詩〜
恥ずかしくて渡しにくかったけど、病室に行くと君が笑顔で両手を出すから渋々渡した。


いつも出てってと言われるから僕は日記を渡して出て行こうとした。

「こうちゃん!」

振り返ると君がベッドをぽんぽんと叩いた。

「今日はこうちゃん帰ってから読む。
だからいていいよ。」


僕は椅子に座って君に耳打ちした。

『あそこの人・・・』


今日ベッドが1つ空いていたんだ。

「うん・・・1人部屋に移動だって・・・」


ベッドの方を見つめたままどちらともなく手を握った。
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