diary〜ありがとうの詩〜
しばらく待っていると君は車椅子で帰ってきた。

「あら、望ちゃん!
ダーリンがお待ちよ♪」

「こうちゃん!」

『お帰り。』


看護士さんは君をベッドに移すとにやにやして行ってしまった。

『検査?』

「うん。午後から診察!」

君は枕の下からノートを取り出した。
枕の下には今までの交換日記と2人で撮った写真があった。


「はい。」

『ありがと。』


倉見さんに余命のことを聞いてから普通に接することが出来なくなった。

君をじっとみて考えることが多くなった。

やせ細って髪も抜け落ちた君は付き合い始めたばかりの頃の面影も薄れていた。

僕があげたロングのかつらをいつもかぶって笑う君は何も変わってないはずなのに・・・
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