MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-

名実共々


リナの肌は柔らかかった。


だけど、そう。
決してリナが初体験ではなかった俺は知っていた。
抱き合うことで男は支配欲を満たすけれど、一人の人間を支配し掌握するのは簡単じゃない。
ていうか、無理だ。
セックスは、支配には遠く及ばない。


半裸で煙草の煙を気だるく吐き出す俺たちは大人びた子ども。


だけど子どもにだって空洞があるんだ、心の中の。そしてリナの空洞はきっと俺には底が見えない。ブラックホールのように俺を吸い込んでいくのに。


リナとタスクくんのライフスペースを汚したような背徳感。


そして俺たちは名実共に恋人同士になった。
ただ、恋愛感情を除いて。
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