MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-
そして俺たちはありがちに屋上へ。非喫煙者の金田までついてきたのには、下心を感じざるを得ないけれど。
「やっぱ食後の一服は堪んないやねー」
リナはしっかりと肺まで煙を吸い込んでいた。
中学生なんてイキがってふかすだけのダサい吸い方しか知らない奴ばかりなのに。意外とやるじゃんこいつ。俺は見直していた。
俺も肺まで煙を吸い込んで、ゆっくりと吐き出した。
「ねぇね、荻原くん…だっけ?」
リナはキャットアイを目一杯広げて俺の名を口にした。
「充でいーよ」
こいつ、自分のミリョクが分かってんだなぁと感心しつつ答えると、それが悪かったのか隣の金田が鬼の形相で俺を小突く。知らねーよ、仲良くなりたいならてめぇが隣行け。そう、目で威圧すると大人しくなった。
「で、何?」
「あ、えっと…もしよかったらなんだけど…席、変わってくれない…?」
俺の席は窓際の一番後ろ。
どう考えても特等席だ。
二つ返事で変わってやったのは、俺がイカれてる証拠かもしれない。