MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-
第二章
突然炎のごとく
学ランで登校していた中学から一変して、ブレザーで登校することにも徐々に慣れてきた四月半ば。
名門大学の付属だから、さぞかし優秀な人間の集まりだろうと微かに期待していたが、それはあっさりと裏切られた。
まぁ、よく考えてみれば納得出来る。
小学校からエスカレーター式で上がって来れるこの私立高校は、親の金でのうのうとエリートの道を歩くような奴の集まりだ。
俺やリナのように高校受験を経て外部から入学してきた奴の中には何人か話せる奴もいるけれど、小学校からの持ち上がり組は苦労知らずというか…
そんなことを考えながら屋上の空を見上げた。
「今日の席替えで窓際の席になれたんだ」
隣に座っているリナは嬉しそうに話す。
入学式に知らされたクラスで、俺たちは違うクラスになった。
「へぇ、そっちも今日だったんだ」
「充は?」
「窓際の一番後ろ」
「あ、そっちの方がいいな」
窓際の一番前の席になったと喜びながら嘆くリナは、高校に入っても相変わらず注目の的だ。
同じ中学出身というだけで俺に、リナに関する問い合わせが男子から殺到するくらい。
「その問い合わせには、どう答えてるの?」
「いい女だぜ」
「あら、光栄だわ」
「けど忘れんなよ。あいつは俺の女なんだぜ」
「独占欲の塊みたいな言い方」