MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-
そして連れて行かれたのは、事務所から車で20分程のスタジオだった。
「タスクくん、今日仕事だったんだ」
「こう見えても忙しいんだぜ?」
メイクルームでプロのヘアメイクさんにメイクされている間もタスクくんは俺を近くに居させた。
元から綺麗な肌にはあまり手を加えずに、前髪とサイドの左側だけをピンで後ろに止めていく。
切れ長なタスクくんの目が、映える。
衣装に着替えるとタスクくんの顔が変わった。
俺に見せる頼りになる兄貴のような顔でも、
リナの前での甘く優しいお兄ちゃんでもなく
そこにはtaskがいた。
「まぁ、見てな」
ライトを当てられ、シャッター音に合わせて次々とポーズを変える。
ファッション雑誌のスチール撮影なのか、taskは服が一番映えるようにしなやかな身体を動かす。
プロが集まって作品を作り上げている。
普段、何気なく素通りしている雑誌はこうやって作られていたんだ。
一つのカットにこんなにもこだわって。
俺は完全に圧倒されていた。