MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-
「郷さーん」
衣装替えの合間に、タスクくんの声がスタジオに響き、郷さんと呼ばれた柔和な表情の男性がタスクくんに駆け寄る。
二、三、言葉を交わすと「じゃあ、そういうことで」と、タスクくんの陽気な声が聞こえた。
なんだろう?と思っていると、今度は俺に郷さんが近づいてきて驚くべきことを伝えた。
「次のカット、君も出てもらうから」
「はぁ!?」
反論する時間も与えられず、あれよあれよという間に着ていた服を脱がされ、ヘアメイクを施され、鏡を渡された。
「これ、俺?」
そこには、天然で茶色がかった髪を無造作に散らされ、サイケデリックでサイバーな衣装に身を包んだ男がいた。
「いいんじゃん?」
呑気にコーヒーを飲みながらタスクくんは楽しそうにそう言う。
「はい、じゃ再開」
郷さんの一言で、俺はさっきまでタスクくんが立っていた場所に連れて行かれる。
そしてタスクくんは、またtaskの顔になって俺の肩に手を置いて、カメラを睨み付けた。
一ヶ月後。
taskと俺が挑発的に睨む表紙が、本屋の店頭に並んだ。