MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-
屋上の手すりにもたれて空を見上げると、こないだまでここで煙草の煙を吐き出していたのに…とか考えてしまう。ニコチン恐るべし。
「うちのクラスの女の子も騒いでた。羨ましがられちゃった」
「罪な男だなー俺も」
確かにあの表紙の反響は凄かった。
発売日に、コンビニかどっかで目ざとく見つけた奴がそれを持って『これ、充?』とか声をかけて来た時にはさすがに気まずさを感じたけれど、下手に嘘吐くのも後々面倒だったので『そうだよ』と認めた。
そうしたら、だ。
あっという間に話は広まり、興味本位で俺を見にクラスまでやってくる奴が急増した。
人気者はツラいぜ。
まぁ、でも。
そのうちにほとぼりも冷めるんだろうと、俺は見込んでいた。
次第にファッション雑誌のオファーが増え、芸名の『充』と高校生の『荻原 充』の二重生活は忙しさを増してきた。
そんなある日のこと。