MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-
2連休の週末を経て迎えた月曜日。
なんていうか。
月曜日って一番疲れた気分になるよな。
放課後に仕事もレッスンも入っていない日は久しぶりだ。俺は持って帰る教科書と、置いて帰る教科書を選別して荷物をまとめると、それを担いで屋上に向かった。
俺の教室から屋上までは二階分の階段を上がらなくてはならない。
屋上ヘヴィユーザーの俺には正直しんどい。
「私、見たんだから!!」
階段を10段くらい上がった踊り場からヒステリックな女の子の声が聞こえた。
なになにー?
ってな具合の野次馬精神で、こっそり様子をうかがってみる。
いやいや、屋上行くのにそこ通るしね。不可抗力。
「昨日、乃村くんとホテルに入っていくとこ」
乃村くん…乃村くん…
あぁ、リナと同じクラスの爽やか系サッカー少年。
子犬みたいで可愛いとは、うちのクラスの女子談。
「充くんがいるのに!!」
充くん…充くん…
って、あ。俺!?
急に自分の名前が登場したことに驚いて、思わず顔を覗かせて声の主を見る。
まぁ予想はついてたけど、詰問されてるのはリナだ。
詰問してるのは…知らない女の子。
「なんとか言いなさいよ!!」
あぁ、もう面倒くさいと思いつつ
階段を二段飛ばしで駆け上がり、リナに向かって振りかざされた右手を掴んだ。
「え!?」
一瞬何が起きたのかわからなくなったのだろう。
動かない右手を必死に動かそうとする姿があまりにも間抜けで、思わず笑ってしまった。
「え!?充くん!?」
振り返った女の子は、顔を見てもやっぱり知らない女の子だった。