MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-
小さい頃から俺は狭いところが好きだった。
押し入れの布団の隙間に入り込んで、家族総出の大捜索が繰り広げられたこともある。
隙間があると入りたくなる性分なのだ。
きっとそれは大人になっても変わらない。
だから俺は、笑いあった後にリナの目に浮かんだ孤独に気付いた。
好きこそものの上手なれ。
は、ちょっと違うか。
「すっげ今更だけど聞いていい?」
「何?」
「リナの父さんと母さんと恋人ってどうやって死んだの」
夏が間近に近づいてきた今は日が落ちるのが遅い。
太陽が退散を渋るようにまだそこにいる。
「笑って聞いてくれる?」
「うん」
空の近くなら寂しくないだろ?
だから俺にその隙間の何たるかを少しだけ教えてくれよ。