MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-
ウォー・アイ・ニー
リナの母親は、リナの父親と再婚をした。
リナが10歳の時だ。
優しい優しいパパ。
血の繋がりもないリナをそれはそれは可愛がってくれた。
可愛い服を見つけては買って帰り、リナに着せるのが好きで
それは女の子としては嬉しい限りだった。
「だけどね、ある時言われたの」
「なんて?」
「男が女の子に服を買ってあげる本当の理由はね」
それを脱がしたいからなんだよ。
中学に入って間もない頃、リナは義父に犯された。
「だけど私は気付いてたの。ママがドアの外にいることに」
ドアの外ですすり泣く声は、リナの苦痛の叫びに描き消された。
義父の吐く酒臭い吐息に、リナは自分が真っ黒に汚されるのを感じた。
そんな夜は、幾度も繰り返された。
「助けてくれないママも、私を雌としてしか見ないパパも敵だった。私に心から優しくしてくれたのは…ユウキだけだった」
「ユウキが、家庭教師だっけか」
「そう。中学二年になった時にママがつけてくれたんだ。まぁ成績落ちてきてたしね」
「色々あって?」
「色々あって」
成績が上がればユウキが喜ぶ。ママも喜ぶ。
だから頑張った。
高校受験は当初よりワンランク上を目指した。
K大付属。K大にはユウキが通っていたから。