MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-
ユウキにそれを告げると、喜んでくれた。
「リナが同じ大学に入るのが待ち遠しいな、なんて言って。私が大学に入る頃にはユウキは社会人なのに。だけど嬉しかった。
相手を想って想われる、本当の両想いってこういうことなんだって思った」
穏やかな日々。
義父による夜の苦痛を除けば。
義父に汚された身体を、ユウキが浄化してくれる。
そんな悪循環はある日、突然終焉を迎える。
「日曜日にね、うっかり寝坊して昼過ぎに起きるとパパがキッチンの床に倒れてたの」
傍らには、血まみれの包丁を持って小刻みに震える母親。
「最初に思ったのは…『やっと終わったか』ってこと」
これで苦痛は終わる。
これ以上、汚れないで済むんだ。
リナが安堵の溜め息を洩らした時、玄関のチャイムが鳴った。
我に還った母親は叫んだ。
『リナ!!隠れてなさい!!』
狂乱の母親に追い立てられるように、クローゼットで息を潜めていると玄関から話し声がする。
「ユウキが来たの。私の授業をしに」
そして車を発進させる音。
家の中には、リナと義父の死体だけが取り残された。