MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-

鏡の前にいるのは、違う男だ。
白に近い金髪から色素の薄い紅茶色の目が見える。


「これ、俺?」


呆然とする俺に逸樹さんが笑いかけた。


「やっぱり似合うな」


「うん、いーんでない?」


俺より一足先に施術を終えたタスクくんは、真っ黒になった髪をかき上げながら笑った。
黒髪のタスクくんは妖艶だ。


「ていうかコレ!!俺、学校行けねぇじゃん!!」


思わず顔面蒼白な俺。
生活指導の教師に叱られるなんて嫌だ!!


「夏休みが終わる頃に元に戻してやるよ。とりあえず早く仕事行ってこい」


すっかり忘れてた。


俺は今から撮影なのだ。
前に水城と一緒に載った雑誌から、俺の特集が組みたいとオファーがあったらしい。


俺の何が良かったのやら。
水城との雑誌は売り上げが良かったらしい。


「じゃ、行ってきます。逸樹さんいつもありがとう!!」


見送ってくれる逸樹さんに手を振り急いで階段を降りると、後ろからタスクくんに声をかけられた。


「俺の車乗ってく?」


「助かります!!」


いいお兄ちゃん1号は、やっぱりタスクくんだ。
< 51 / 57 >

この作品をシェア

pagetop