MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-
鏡の前にいるのは、違う男だ。
白に近い金髪から色素の薄い紅茶色の目が見える。
「これ、俺?」
呆然とする俺に逸樹さんが笑いかけた。
「やっぱり似合うな」
「うん、いーんでない?」
俺より一足先に施術を終えたタスクくんは、真っ黒になった髪をかき上げながら笑った。
黒髪のタスクくんは妖艶だ。
「ていうかコレ!!俺、学校行けねぇじゃん!!」
思わず顔面蒼白な俺。
生活指導の教師に叱られるなんて嫌だ!!
「夏休みが終わる頃に元に戻してやるよ。とりあえず早く仕事行ってこい」
すっかり忘れてた。
俺は今から撮影なのだ。
前に水城と一緒に載った雑誌から、俺の特集が組みたいとオファーがあったらしい。
俺の何が良かったのやら。
水城との雑誌は売り上げが良かったらしい。
「じゃ、行ってきます。逸樹さんいつもありがとう!!」
見送ってくれる逸樹さんに手を振り急いで階段を降りると、後ろからタスクくんに声をかけられた。
「俺の車乗ってく?」
「助かります!!」
いいお兄ちゃん1号は、やっぱりタスクくんだ。