MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-

程なくして、スタジオに到着。
車ってやっぱり快適だ。
俺も買おう。
って、免許取れんの二年後じゃん。


「ありがとうございました」


車を降りる前にタスクくんに頭を下げる。
タスクくんはニヤリと笑って「苦しゅうない」と言った。


「あ、そうそう充さぁ」


車を降りかけの、足だけ外に出した状態で俺は振り返る。
途端に着ているTシャツの首もとを掴まれた。


「リナ泣かしたら殺すかんな」


タスクくんの笑みは絶えない。


「肝に命じておきますよ」


首もとの圧迫感が消え、ドアを閉めると車は去っていく。


今日、美容室についてきたのは結局それを言う為だったんかよ。


独占欲の塊。
兄も、妹も。
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