MADE IN BLUE -ソラ・ニ・ナリタイ-

御宅訪問


「なんでだよぉぉぉ!!!!」


金田の悲痛な叫びが教室に響く。しかし悲しんでいるのは金田だけじゃない。教壇に座り込んでガックリと首をうなだれている奴、蒼白な顔で立ち尽くしている奴。悲しみ方は人それぞれだ。
俺はなんとなく感心してしまって、その様子をまるで他人事のように眺めていた。


リナは呆気にとられた様子で、目を丸くしている。満月みたいなキャットアイ。
詩的だ。


帰り道、リナが面白そうに言った。


「悲しんでるのは男の子だけじゃないみたいだったよ」


「は?」


「マイちゃんとか優奈ちゃんとか、たぶんトイレで泣いてた」


リナとの契約が成立した昼休み。
俺たちは残り時間10分を『交際宣言』に充てた。


そういえば確かに五時間目はポツポツと空席が目立ってたな。
俺もなかなか罪な男じゃないか。


満更でもない気持ちで、セオリー通り手なんかを繋いで歩く帰り道。
リナの手は、俺が知ってるどんな女の子の手よりも細かった。
白魚のような指とはこういうことか。


ゲームはよりスリリングに。
リナはよく分かってる。


「交際記念に、うち来ない?」


ゲームは楽しまなきゃ損だ。
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