涙の足跡
第1章
★男嫌い
「昨日雅宏がねっ、耳元で
“愛してる”って言ってくれたの!」
そんな声が、私の耳にふと入り込む。
ばっかみたい。
そんな言葉聞いて、下心見え見え
だって気づかないの??
男なんて所詮、
女をもて遊んで飽きたら捨てるような
最低なヤツしかいないの。
そんなヤツ等が、
この世にいるのは
勿体ないんだよ―――。
私、佐倉夏希は普通の高校2年。
他の人と違うと言ったら、
『男嫌い』なところ。
ぁる日をきっかけに、
私は心を閉ざすようになり、
男に背を向けてきた―――
だから男友達なんかいない。
ましてや、話すらしない。
私の場合、
一方的に無視している。