涙の足跡
「奈々世に、用なんかねぇー!
俺は夏希に用があんだよっ!」
だんだんイライラしてきているのか、
真樹の声が怒っている様子を見せる。
「だから、言ったでしょ!?
夏希をほっといて!」
負けじと奈々が、
その言葉に対応をしてくれる。
「だから、お前は黙って
その辺に引っ込んでろ!」
「そういう真樹は
おとなしく帰ってほしいね!」
ぁあーウルサイウルサイ!
2人ともいい加減黙ってよ。
いい加減我慢の限界になった私は、
2人の所に戻り、
奈々の体を自分の後ろへやった。
「なつ、き・・・??」
『私は、大丈夫だから・・・
奈々は先に帰ってて?
帰ったら必ず連絡するから』
「で、でもっっ!」
『いいから。ね?奈々。』
私は奈々に少し微笑みながら説得させる
「ぅん、分かった。夏希、
無理するんじゃないよ?」
そういって、帰りの道を走っていった。