涙の足跡
そして、真樹は私の横に座ろうとする。
『座らないで。お願いだから近づかないで』
私の言葉にびっくりしたのか、
真樹は座ろうとしている体を止める。
「何、もしかして俺のせいで男嫌いに
なちゃったとか??」
笑うように言う真樹が憎くてしかたがない
それでも私は冷静を保ち続ける。
『―――それがなに?』
「まぁ、別にいいや。本題に戻すけど
俺最初から、浮気なんてしてなかった。
あの日は、知らずに合コンに
つき合わされたんだよ。」
最初から? 浮気? 合コン?
『ふぅ~ん。今さら言い訳?
その為にわざわざ来るとか
アンタばかだね・・・。』
少し、鼻で笑うように言う私・・・
「なんだよ、夏希・・・。」
そしてさっきまでバカみたいに笑ってた
真樹の顔が姿を消す。
『あん時の真樹は、
言い訳すら言ってくれなかった。
それにアンタ、あん時言ったよね?
“浮気される夏希が悪りーんだ”って。
あの時の言葉は・・・
あの時の言葉は何だったって言う
の?!』