涙の足跡
黙りこむ真樹を見て私は再び
確信した。やっぱり浮気だったんだって
真樹がそういう男なんだって、
そんなのとっくの前から知ってる。
でも、、、
真樹は何をしに私に会いに来たの?
ホントに言い訳をしに?
分かんない・・・真樹の気持ちが。
『ねぇ・・・それだけ?用件は。』
早く終わりたい・・・
ここから今すぐ立ち去りたい。
もぅ、言い訳なんか聞きたくない。
真樹に会いたく、なかったよ―――。
「そんなわけねぇーだろ。
俺が言いたいことはまだあんだよ・・・」
そう言って、髪のうなじを触る真樹。
“髪のうなじを触る”
これは真樹の昔からの癖だった。
真樹が髪のうなじを触る癖は
恥ずかしいときだけ。
ふぅ~ん。恥ずかしがってるんだ。
この真樹がね。
こんな状況なのに恥ずかしがるんだ・・・