涙の足跡

 なんで?なんで?
 なんでよりを戻したいとか思うわけ?


 私は・・・嫌だよ。



 もぅ真樹と一緒にいるのは無理だよ。
 もぅあんな思いしたくない―――・・・・・・




 私は走らせていた足を徐々に緩める。


 そして、その場にしゃがみこんだ。



 男なんて、嫌い・・・
 男なんて―――無理だよ。


 私にはあんなに笑った過去は
 もぅ来ないの・・・。
 来るはずないの――――。

 真樹と話なんかしなきゃ良かった。


 
 「ぁの・・・大丈夫ですか?
  良かったら、コレ使ってください。」



 ―――頭の上から突然声がした。

 この声は男っっ?!
 その考えがすぐに頭の中に現れ、
 自動的に顔を上げる。



 そこには男が確かに立っていたけど・・・


 見たことのない人で、
 心配そうな、顔をしてた・・・。









 
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