涙の足跡


 『ただいま。』


 と、なんとなく呟いてみる。
 両親共々夜遅くの帰宅。 
 だから、今の時間帯は私1人だけ・・・



 なんか、今日は色々あったな。

  
 真樹と4年ぶりに再会して・・・
 朝霧っていう1年にも会ったし。

 
 それだけじゃない。
 自分でも驚くくらい変だったよね…


 真樹の言葉にいちいち反応して、
 感情的になって・・・


 それなのに朝霧の腕の中では安心できて・・・



『はぁ...どうしちゃったんだろ私。』


 男嫌いじゃなかったの?
 さっきまでの私はどうしたの?

 男の腕の中で安心しちゃうなんて…
 変だよ。


 『怖い…。自分が。』
 鳥肌が立つと共に、自分への恐怖が
 襲ってきた。


 これから、
 今日みたいに男に慣れていくのだと思うと
 怖い…。
 嫌だ、慣れたくない。好きになりたくない。

< 23 / 28 >

この作品をシェア

pagetop