涙の足跡
『ただいま。』
と、なんとなく呟いてみる。
両親共々夜遅くの帰宅。
だから、今の時間帯は私1人だけ・・・
なんか、今日は色々あったな。
真樹と4年ぶりに再会して・・・
朝霧っていう1年にも会ったし。
それだけじゃない。
自分でも驚くくらい変だったよね…
真樹の言葉にいちいち反応して、
感情的になって・・・
それなのに朝霧の腕の中では安心できて・・・
『はぁ...どうしちゃったんだろ私。』
男嫌いじゃなかったの?
さっきまでの私はどうしたの?
男の腕の中で安心しちゃうなんて…
変だよ。
『怖い…。自分が。』
鳥肌が立つと共に、自分への恐怖が
襲ってきた。
これから、
今日みたいに男に慣れていくのだと思うと
怖い…。
嫌だ、慣れたくない。好きになりたくない。