涙の足跡

 「そっか。何かされた?
  それとも言われた?」



 『ううん。いきなり後ろから
  話しかけてきた。』



 「夏希・・・やっぱり、
  私たち離れたら行けないよ。
  ただでさえ夏希は
  隙がありすぎるんだから。」


   ホントに奈々はいつも優しい―――

   私のことを1番分かってくれてる。
   ありがと、奈々。


 『うん。そうだよね』


 
 男は嫌い。男なんて大嫌い。
 
 
 私がこんなんになったのだって、
 全部全部、男のアイツのせいなんだ。



 
 アイツは、私を騙した最低で汚いヤツな
 のよ。



 アイツがいなければ、
 
 私だって今頃、恋をしているに違いない。
 好きな人がいたに違いない――――。

 
 アイツのせいで私の人生が狂ったの。


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