レイン




僕は平然とした顔で普段の歩調で千秋に歩みよっていく。

車の運転手は顔を青くし物凄い勢いで走りよっていく。




「そんなに急がなくてもいいのに」







遠目では、はっきりと分からなかったが
どうやら千秋の左足は真横を向いているらしい。

90度角度を変えたわけか。


膝から骨が突き出ている。

太ももからもだ。

肉を突き破り白い骨が丸見えだ。








「だいじょぶかぁ!!!?今すぐきゅうきゅうしゃ呼ぶから!!」

運転手が千秋の元で叫んでいる。


頭からも血を流している千秋。

目を閉じている。








死んだのかな?


いや足の損傷は激しいが命には関わらないだろう。


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