レイン
「まってよー!」
慌てて歩みよってくる
「たのしみだねぇ」
別に楽しみなどではない。
断るのが面倒だからきたまでだ。
上映室の重たい扉をあけた。
意外と人がいるものだ。
「んーと席は...」
急いで席を探している。
そんなに急がなくともいいのに
せっかちだ。
「あった!るいここだよ!」
「そっか。」
千秋が指差した席に座る。
早くも目を輝かせてスクリーンを見ている。
なんだ新作映画の予告ごときに