ガリーとあたし。
「野球が好きだからって、皆が皆プロにはなれないでしょ、ってこと」


あぁ、そういうことか。

うん、ちょっと寂しいけど、それは確かにそうだね、って思う。


「でもそれって、才能の話になっちゃわない? 夢がないなぁ」


「んー、まぁプロ野球とかなら確かに才能の部分はでかいんだろうけどね。でも、それだけでもないでしょ。いざ自分がやりたいことが見つかった時にさ、それが選べないんだってなったら寂しいよね」


「うん」


「でも、多分、ある程度はね、選べるようにしておくことができると思うんだ」


「そうなの?」


「俺はそう思うよ。例えば英語をとりあえず勉強しておけば、将来スチュワーデスさんになりたい、って思った時に役立つでしょ?」


「あぁ……って、そっか、英語できないとダメか……」

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