ガリーとあたし。
「ガリーって友達いたんだねー」


放課後、図書室に出向いてみたら、自分で言っていたようにガリーはそこにいた。


「……シバさんって、結構ひどいことさらっと言うよね」


ガリーが読んでいた本から顔を上げて困ったような顔で笑う。


「え、だってガリー、クラスで誰とも話さないじゃん。勉強してるか寝てるじゃん」


「……たまには誰かと話してるでしょ」


「ほんと?」


尋ねると、ガリーが「え、うん……あれ、そうでも、ない……?」とか自分で疑い出してる。

あぁしまった、変に突っ込んでしまった。


「や、うん、まぁいいじゃん。それより今日の、ほら、音楽の帰りさ」


「あー、アオのこと? 見てたの?」


「あたしすぐ後ろ歩いてたし」


へー、アオって呼ぶんだ。

なんか親しげじゃないですか。
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