ガリーとあたし。
4.笑顔。
友達に先に帰られてしまったあたしは、なんとはなしに図書室に足を向ける。
相変わらず人のいない図書室には、いつものようにガリーだけ。
難しそうな本に目を落として真面目な顔をしてるガリーは、できる人オーラを出しすぎだと思う。
「あ、シバさんだ」
あたしに気付いて、ガリーはにこっと笑う。
うーん、教室だともっと無表情なのになぁ。
変な人だ。
でもおかげで変な緊張感が解ける。
いつものようにガリーの前に座って、でも特にすることもなくて、ケータイを取り出していじってみたり、たまに「そういえばさー」って話しかけたり。
ガリーは本を読むのを中断されても嫌な顔一つしないで笑いながら聞いてくれる。