ガリーとあたし。
「なんで邪魔なんだよ」


ガリーが「はぁ?」みたいな顔して尋ねる。

あぁこの人、多分わかってないんだろうなぁ。

でもガリーが冷静なのであたしもなんとなく落ち着く。

そうだよ変に構えるからよくない。

うん、落ち着けあたし。


青山君はちょっと考えた後、「ま、お前はそうだよな」とか言いながら図書室に入ってくる。


「で、なに?」


用を尋ねるガリーの声は、いつもよりちょっとトーンが低い。

顔も別に笑ってない。

あれ、にこーって笑わないの?


「いやー、明日数学当てられてるの忘れててさー」


「お前自分でやろうとしろよ」


「いや5秒くらい考えたんだけどな、解けなくて」


「せめて10秒くらい頑張れよ」


10秒じゃダメだろ、あたしは口には出さないけどつっこむ。
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