ガリーとあたし。
あたしを置いてけぼりにして、青山君とガリーはわいわい話す。

しょうがないからあたしはケータイをまた開いて、でも別に画面は見てなくて、二人の会話に耳を澄ませる。


「だからさ、ここの変数に代入してー」


「変数って何」


「xだよ」


「なんで変数ってx使うわけ?」


「いや別に文字ならなんでもいいんだけど」


「zの方がかっこよくねぇ?」


「好きにしたらいいと思うけど」


「ふーん、じゃあ俺今日からzな」


「俺はこれからお前のことゼット山って呼べばいいわけ?」


「何それ、なんか俺何かやらかしちゃった人みたいじゃん」


「知らなかったのか」


「え、俺なんかしてたの」


「……夜道には気をつけた方がいいよ」


「ちょ、俺まだ部活残ってんのに怖いこと言うなよーやめろよー」


「この辺夜はほんと暗くなるからねぇ。電灯もないし。そういえば帰り道に墓あるよね」


「ちょ、やめてやめて、俺帰れなくなる」


「いつも帰ってんじゃん」


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