ガリーとあたし。
「帰るとこ?」


「多分」


「へー、じゃあ一緒に帰る?」


なんでですか。


「逆方向じゃないの?」


ガリーの近所なら、あたしんちとは全然方向が違う。


「え、なんで知ってんの? もしかして俺に興味が?」


「いや全然」


「なんだよーつれないこと言うなよー」


あたしはだいぶ冷たく、そっけなく返しているというのに青山君にはへこたれてる様子はない。

なんだもう、ていうかあたしに何の用?と思ってそのまま言葉にする。


「なんか用ですか?」


「えーいや、ガクと仲いいじゃん、シバさん。だから俺もーって」


……ガクってガリーのことかな。

そう言えばこの前もそう呼んでだっけ。



いやそんなことよりも。



へらへらと笑いながら青山君があたしのことを『シバさん』と呼ぶ。

なんか、それがムカつく。
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