ガリーとあたし。
6.力関係。
「おーマメ子!」
廊下ですれ違うたび、青山君はあたしに話し掛けるようになった。
いや別に話し掛けてくるだけならいいんだけど。
「なんで毎回頭叩くの……」
すれ違うたびにこう、青山君はべしべしとあたしの頭を叩いていく。
犬でも撫でるかのように。
気安い。
最初は逃げてたけど、もうなんかめんどくさくなっちゃって、とりあえず口だけで文句言うようにしてる。
「いやー、ちょうどいい場所に頭があったら、そりゃやるでしょ」
やらない。