あいつのお気に入り

…あれ?
終わった?

顔を上げるあたし。



「ンッ…れぇん?」

どうしたの?と女の人の甘い声が聞こえる。



女の人も気になったのだろう。



ガサッと立ち上がる音がする。


「今日はこれでおしまい。亜紀もこんなトコじゃ体痛いっしょ?」

甘い声で亜紀と呼ばれる女の人に囁いた男。


「えぇ〜、亜紀、全然痛く無いよぉ?続きしよ〜よぉ」

猫なで声の俗に言うブリッコな口調で甘える亜紀。



「今度、こんなトコよりも色んなコトが出来るホテルに行こ?ね」

男がまた甘い声で囁く。


その言葉に反応した、亜紀は「ん、分かったぁ。じゃ〜あまた、今度ねっ」


そう言って起き上がり乱れた衣服を整えている。

「じゃあねぇ♪」

彼女は満足そうに足早にその場から立ち去った。


お。
終わったっぽい。

一安心するあたし。
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