Do you know YOU!?
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他のバイトの先輩たちにもいい顔はされなかった。

ある人は、あたしの腕から目を背(そむ)け、見なかった振り。

ある人は、あたしの腕を見て驚いて「やめなよー」という軽いノリ。

ある人は、あたしの腕を汚いものとして見ている視線を送ってきたり。

とまぁ、人間、異端のモノは人間として見ない傾向がある。

腕を切るようになってからは、異端視されるようになり、距離を置かれてしまった。

そんな中のバイトは最悪だった。

ひそひそ話をするモノ、無視を決め込むモノ、排除しようとするモノ。

色々なモノが居て、バイトの内容をあまり教えてはもらえなかったんだ。

傷だらけの腕を見せて、それで生きていると感じていた。

どうやら自傷するタイプも色々種類があるらしい。

常に「死にたい」、「死のう」などの声が頻繁に聞こえてくるようになったほどだ。

誰でも良かったんだ、あたしの話を聞いてくれるなら。

あたしの言葉を聞いてくれる人が居たならば。

あたしは無知でしかなく、世界に絶望しているしか居なかったんだ。

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