Do you know YOU!?
(4) 恋、しちゃいました。
<1>

うわー、あり得ないよー、二人で会う初日に遅刻だなんて。。。

海さんにしっかり謝らなきゃ。。。

もう本当、あたし遅刻してばかりなのに。

バイト先ではない海さんを見るのは初めてになる。

どんな服装なのかなーなんて、期待しつつ、待ち合わせ場所にしたファミレスの近くまで走って。

ぜいぜいと息ができなくなってしまったら。

ファミレス前に海さんの姿を、遠くから発見した。

携帯を見ながら何か操作をしていた。

もしかしたら、あたしにメールくれようとしているのかな?

なんてちょっぴり期待しながら、十分遅れで、ようやく到着した。

だが、海さんは悩んでは、カチカチと携帯をいじっていたので、あたしには気付かなかったみたい。

よーし、こういう場合は、サプライズするのが、オチでしょう(謎)。

入り口で待機していた海さんの後ろに、こっそりと回り込んで、ゆっくりと近づき、「わっ!」と大きな声をあげようとしたら。

どうやらようやく気配で気付いたらしい海さんが、後ろに居たあたしに振り向いて。

「ふふふ、甘いな。まだまだ子供の証(あかし)だね」。

と笑われてしまい、自分がサプライズされてしまった。

目線をあたしの身長くらいに移して、海さんの突然のキス。

あたしの目が大きく見開いた。

心音がマックスになりそう!!ていうか、なった。

そして軽く口付けられた後で、一言、言われてしまった。

「遅くなった罰だよ」と。

その瞬間、あたしはこれ以上無いってくらいに、赤面してしまったのだった。

な、何が起きたの!?

状況を把握できないまま、何事も無かったかのように、海さんが優しい表情になって。

「じゃあ、お店に入ろうか」と言い、あたしの手をとると、ファミレスの中に連れていってくれたんだ。


< 18 / 31 >

この作品をシェア

pagetop