Do you know YOU!?
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「今日は俺が奢るからさ。好きなもの食べていいよ。はい、これがメニューだよ」

そう言って、メニュー表をあたしのほうに差し出してくれた。

こ、ここは一体何処で何がどうなっているの!?

は、はっきり言おう。

自分は今、かなりの混乱と嬉しさと恥ずかしさでいっぱいいっぱいだった。

そして、人生で初めての体験をしている。

あたしの目の前に居るのは、会社で働いているサラリーマンこと、バイトのOBの人で、ここ数日で仲良くなった人。

よ、よし、ここまでは合っている。

少しだけ深呼吸が出来る余裕が出来てきた。

黒い無地の半そでTシャツと、黒いズボン。

夜の闇に溶け込んでしまいそうなラフな格好の、海さんだ。

どうやら仕事着は、一度家に帰ってきてから着替えてきたようだ。

「流石(さすが)に、仕事着で会うなんて、相手に失礼でしょ?」

何処までも優しそうなオーラを纏っている人が、あたしの目の前に居る。

き、記憶をちゃんと整理してみよう。

海さんは携帯を悩みながらいじっていた→それを発見したあたしはびっくりさせようと思ったから、海さんの背後に廻った。

と、ここまでは覚えている、覚えているのだ、間違いない。

問題はこの後だった。

あたしより頭一つ分身長が違う海さんが、携帯をぱちんと閉じて、あたしと同じ目線になるように屈んできた。

そして、「遅れた罰」と称して、いきなり口付けられたのだ。

しかもその後は何も無かったかのように、話しかけられている。

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