Do you know YOU!?
<3>

海さんが・・・あの海さんが・・・。

おかしい、おかしいよね???

な、なんでいきなり???

分からない、全然分からない。

だって告白なんてされていない。

付き合うなんて言われていない。

何も、何も無い。。。

にも関わらず、あたしにキスしてきたのだ。

まるで、何もかもを覆い隠すように。

何かを見せないように。

悩んでいたことから、解放されたかのように。

まるで逃げているようにも思えた。

冷静な自分が居る、第三者的な目で見ていると、何かおかしいのだ。

喜んでいたあたしは、少しずつ、気を落ち着けられるようになった。

よく考えてみて?

今さっきの行為の中に、気持ちは入っていたの?

あたしの気持ちは入っていたかもしれないけど、海さんの気持ちは?

入ってはいなかったように思える。

先ほどまでの自分たち、変わっていないあたしたち、一方的に口付けてきた海さん。

何かから、目を背(そむ)けさせるように、キス・・・した?

嬉しい気持ちが、一気に不安へと変わる。

メニュー表を見ながら、海さんは何を食べようかと悩んでいるようだった。

「うーん・・・」といううなり声が、それを示している。

あたしもメニュー表を見ている降りをして、考え込んでいた。

海さんの行動の意味が分からないのだ。

矛盾していることは何となく分かるのだが。

それ以上の追求を許さない感じの目をしていた気がする。

それを見て何も言えなかった自分。

何か心に引っかかっているのだ。

目隠しされているような気分で、心が痛い。。。

まだあたしは、本当の貴方を知らずに居たから。

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