Do you know YOU!?
<2>

と、ハンバーグを口に運ぼうとしていた、海さんとばっちり目が合ってしまった。

ぼっと音でも出るかのように赤面してしまったあたしは、スパゲッティーを食べる手を止めてしまった。

「ん?何かあった?俺の顔に何かついているかな?」

苦笑いという感じで、海さんが口元をティッシュで拭く。

「えっ、へっ!?あっ、いえいえ。や、なんか会話が無いとダメかなって思っちゃって」

あたしなりに何を話そうかと考えていたんだけど、上がり気味の脳内では、思考が停止してしまったらしい。

そんなあたしを見てくすくす笑う、黒服の海さん。

「そんなの気にしなくても大丈夫だよ。俺は会話は無くても平気だしね。もしかして・・・俺のことが気になった、とか?」

「え、ええええ!?な、なんでそんなになるですかー!??」

あたしは緊張しすぎて、変な文章の言葉を発してしまった。

「あははは。冗談だよー。ごめんね、悪のりしすぎちゃった」

ぺろっと舌を少しだけ出してウインクする、海さん。

なんだか、バイト先と外では全然違うんだなーと思いながら、あたしは言葉に詰まってしまっていた。

「ま、今日は俺の奢りだから、気にしないで。楽にして食べてよ。せっかくの食事なんだからさ」

そう言って、海さんは再び食事に集中した。

あたしも赤らめた頬をしたまま、食事を続けることにしたのだった。

嗚呼、ドキドキが止まらないよ。

いい、のかな?あたしは・・・この人を好きになっても。。。

迷惑じゃないのかな?

付き合ったこともあったけど、いずれも長続きはしない子供の恋愛でしかなかったのだ。

だからかな、愛情ってものを、知らずに育っていたのだった。

両親には見放されていたから。

海さん、貴方は、あの時、何を考えていたのですか?
< 24 / 31 >

この作品をシェア

pagetop