Do you know YOU!?
<3>

どうして出会ったりしてしまったのだろう。

どうして知り合ってしまったのだろう。

どうして・・・あたしの居場所は無かったのだろう。

この世界で生きていくには、闘わなければならない。

気付いたら、もう世界の果てを見たような気がして。

何もかもに目を瞑(つぶ)っていたんだ。

見ない振りして、見てない振りして、気付いたら、何もかもが無くなる。

そう気付いてしまわないように。

自分で自分に目隠しをしていた。

それがあたしに出来る唯一の逃げ道だったの。

時に現実は知らなくてもいいときがあるから。

忘れていたことなど思い出さなくて良かったのに。

運命は残酷なときも在る。

試練を与える、それはこの世の理(ことわり)なのかもしれない。

今の貴方はどうしていますか?

もうあたしのことなど忘れてしまっているのでしょう?

無かったものにしているでしょう?

そして再び会うときがあったら、無視するのだろう。

なんとなく・・・分かるよ。

貴方がどんな人間か知ってしまったのだもの。

先読みしてしまう自分が嫌だった。

優しい振りをして、優しくない人だったね。

獣(けもの)と呼ぶに相応(ふさわ)しい人・・・だったね。

ツライ嘘をつかれてしまったの。

一番、一番、聞きたくなかった言葉が。

あたしを・・・。

あたし自身を。

壊してしまっていったのだから。

もう居ない無垢だったあたしは。

消えてしまったの。

無くなってしまったの。

失くしてしまったの。

貴方は残酷なる悪魔のように。

あたしを傷つけたんだから。

罪を背負わせてやる。

そう心に誓った、あの日の夜のこと。

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