Do you know YOU!?
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あたしがバイトしていた処は、よく競馬やパチスロのギャンブル系の話が多かった。

あたしはルールが分からないし、興味なんて無かったから、いつもスルーしていた。

何がそんなに楽しいの?

あたしはふと問いかけてみたことが在る。

貴方曰く、「ただ、お馬さんを見たかったからだよ」

と、軽く受け流された。

只の言い訳にしか聞こえなくて、競馬のために遠征するとか。。。

自分とは全然違う存在だと思った。

でも、そんな貴方にあたしは、気付かぬうちに、貴方と共依存してしまっていたのだ。

話しかけたのは・・・そう、多分、あたしからかな。

バイトのときにあたし一人だけが、まだ貴方に慣れていなかったから。

こんな出会いがあるなんて・・・複雑すぎる恋をしてしまった。

胸がぎゅっと締まるような思いで、話しかけてみた、自分から。

いいのかな?いいのかな?なんて考えてもキリが無いから、自分に言い聞かせるように。

当たり障りの無い雑談をしていたあたしは、貴方の安心してしまう落ち着いた匂いが好きになった。

それからどんどんはまり込んでいく。

バイトで会ってしまうと、すぐに話しかけてしまう心を落ち着かせるためにどぎまぎしていた。

競馬やパチスロとかなんてよく分かっていなかったけど、何とか自分で知っている範囲で話をし始める。

あたしの知らないことは沢山あったけど。

普通に話せただけでも嬉しかった。

貴方にとっては単なる気紛(きまぐ)れだったのだろうけどね。

あたしは貴方に出会ったことは、運命ではなく、試練をあたしに課すためだったと思うんだ。


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