Do you know YOU!?
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バイト先ですら、誰もこんな目にあっているなんて皆、知るはずも無かった。

いや、知っていて、無視していた可能性もある。

貴方も知っていたよね。

なのに、何も見てない振りをしていたのだよね。

それでも、誰かに助けを求めたかった。

あたしの居場所が欲しかった。

ここにいてもいいんだよという証が。

逆らうことが許されない家庭になっていて、秘密を抱える家庭に育ってしまったのだった。

両親の眼には、優秀な、完璧な、存在のあたししか映していなかった。

そうでなくなってしまったものは、切り捨てればいい。

成績、成績、成績。

何よりも大事なもので、それにしか目がいってなかった親。

例え良い成績を一科目だけ取れたとしていても、褒められるなんてことはなかった。

悪いほうにばかりに目を向けていて、その度に父親が「お前は人間以下だ!」なんて怒鳴り、叱咤されていた。

これがあたしにとっての当たり前の生活で、当たり前の家族だったのだ。

あまりにも苦しくて、つまらない生活に、ピリオドを打つべくして、あたしはとある計画を実行に移したのだった。

それはきっと分かる人は少ないと思う。

あたしの心は泣いていた。

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