gift
彼の意識を折り紙からそらすため、
わたしはダンッと白いテーブルを叩いて、むぅっとむくれてみる。

集中力が途切れた彼が、
壁掛け時計と怒りオーラを放出するわたしとを、交互にみて、あわあわしだす。

ちょっとそのキョドる仕草がかわいい・・・


「放っておいて、ゴメン・・・観緒(ミオ)」


しゅんとうつ向いてしまって、わたしはちょっと怒り過ぎたかな、と後悔する。

「・・・あの・・・勇真(ユウマ)?わたしも、折ってみていい?」


顔をのぞきこむようにして、問いかける。


「・・いいよ」


ちょっと笑って、勇真はわたしの髪を撫でた。

そのくすぐったい感触を感じながら、

水色の折り紙に手を伸ばした。
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