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青空へ
「よし、じゃあ行こっか」


「は?どこに行くの?」


観緒の疑問はトウゼンの事、俺はチョット含みのある笑顔を浮かべて、

「早くいこうよ」と観緒の腕をひっぱった。



右腕には愛しい少女を


左腕には羽を閉じた、飛べない折り鶴を抱いて


俺は自宅マンションの階段を上がっていった。


今年の鶴は17羽。

「・・ねぇどこいくの勇真!」

「屋上!」


固く閉ざされた鉄の扉が見えてくる。

そのドアノブに手を伸ばした。


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