僕等の在り方
一章:桜芽吹ク卒業ノ日
無機質な音が流れて、もう何時間になるだろうか。
その音を流す箱と見詰め合う彼女。
それと同じくらい、ボクは彼女を見詰めている。


「飯、食べていく?」


「んー?今日は何の予定?」


ごろんと、箱の前で転がっていた彼女は、やっとこちらに顔を向けた。

夕飯の話で釣ってみたのはいいものの。
特に何と決まっている訳でもなく、少し考える。


「…食べたいものある?」


「にーさんは?」


「俺は別に何でもいい」


「私も何でもいいなぁ…。あ、肉まん食べたい」


それは果たして夕飯といえるだろうか。
そして、そんな手間のかかるものを大の男に作れと。

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