僕等の在り方
居間で腰を下ろして落ち着くと、手持ち鞄を漁って小さな袋を取って差し出した。
差し出されたそれに、彼はきょとんとした顔をしてみせる。


「…一足早かったホワイトデーのお返し、一ヶ月遅れのバレンタイン」


「ああ、別にいいのに」


意図が解かってそんなことを言う彼に口を尖らせた。


「だまらっしゃい。貰ったら返すのが仁義なの」


「何それ」


私が口を開けば何時だって楽しそうに笑う。
真面目な話をしててもこうだからたまに腹が立つこともしばしば。


「…開けていい?」


「……うん」


小さな袋を開ければ、中に沢山詰まった小さな屑星。
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