僕等の在り方
三章:春休みの始まりは
携帯を見て。
大きく溜息を吐いた。

ディスプレイは待ち受けのまま。

一時間前、自分は確かメールを送った筈だった。


「あ゛あ゛ぁ゛っ!もぅっ!!」


何かを投げつけたい衝動に駆られて。
なんとか抑えて持っていた携帯を乱暴に閉じた。


「春休みなのに!春休みなのに!春休みなのにっ!!」


ベッドにダイブして。
ごろごろと自分の鬱憤を撒き散らす。

そう、春休み。
一日中、休みの日々。

会いたい人にも会える日々。


「何でメール返してくんないのっ!」


一度は抑えた衝動は。
溢れて近くに置いてあったぬいぐるみに向かう。

気の毒に、ぬいぐるみは壁に叩きつけられて床に転がった。
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