学園一のお姫様!



『ぐえっ』



私は変な男に抱きつかれ、危うく三途の川を渡ってしまいそうになった。



「何この子!すげー可愛い!俺超好みなんですが!」


わけの分からないことを言いながらギュウッと抱きしめられていると



「おい糞狐!離れねーと今すぐ殺す!!」



と、かなりの殺気を私達に向けて言った。


『(怖ッ!)』


そこに凛が割って入ってきて…




「私の静香に何してるの…翔?」



凛も殺気を盛大に放ち、私達(ほぼ抱きついている男のほう)に向かって言った。




「は…はい」



顔を青くし、私から翔と呼ばれる男は離れた。



凛はパッと人が変わったように顔が変わり、


「あ、そういえば紹介、まだだったよね!」



と、易々と言った。


「今抱きついてきた糞狐が翔って言うの。」



「よろしく!あ、敬語とさん付けなしで!翔って呼んでくれていいよ!」



「あんた注文が多いのよ!」


私は友達が増えたことに嬉しく思い、またまたにやけてしまった。



『じゃあ…よろしく!、翔!!』




私はちゃんと敬語とさん付けに注意して言った。


静香は周りをそのとき見ておらず、赤面してたことに気づかなかったが。



「で、もう一人の「蓮(レン)だ」え?」


「蓮と呼べ。敬語も使うな」



あれ、意外とやさしい人だった!


かなりの殺気を向けられたけど、やっぱりいい人だったんだ…



『よろしく、蓮!』


蓮が言った言葉に翔と凛は口をあんぐり開けて驚いたまま静止していた。






「おい…あとテメー」


『ん…?』


「放課後一人で屋上に来い!」


『え、あーうんいいよ』



私はこの時まで彼は優しいと思っていた





「来なかったらテメーも殺す」



やさしくなかった。





『は、はい…』









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